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アルシオーネ 〜Only One〜


 このクルマのことをハッキリと覚えている方は少ないように思える。
 スバルこと富士重工業のフラッグシップカーであり、まさに唯一無二と言われるほどの独創的なデザインをもったクルマ・・・、アルシオーネ。

 そのネーミングの由来はスバルのマークでもあるすばる星団の中でひときわ明るく輝く星の名前でギリシャ語の「アルキオネ」に由来することからもわかる通り、スバルがこのクルマを自社のフラッグシップとしたことは言うまでもない。

 


初代アルシオーネ

 初代は極端とも言えるほどのくさび形のデザインであり、その革命的なデザインは何十年も先を突っ走っており、初代キャッチコピーの「Only One」といえるデザインであった。(^^;)
 私は初めてアルシオーネを見たときに
「す、すげえよ、あんなデザインのクルマ初めて見た!(・_・;)」と驚いた経験があります。
 一部の間の意見である
「スバルは日本の死吐露炎^H^H^H^H、違う違う(^^;)・・・・・・シトロエンだ。」という意見がありますが、私もこのクルマに関しては賛成してしまいます。

 それぐらい、外観に関しては地球上のデザインとは思えない。
 あの外観ならサイドにでっかい羽根をつけてやれば、「スターウォーズ」の中を飛び交う宇宙戦闘機だと言われても納得出来ます。(^^;)

 そんな初代アルシオーネは当初、レオーネに搭載されていた1800cc水平対向SOHC4気筒ターボエンジンに搭載して登場した。
 しかし、1800ccにしては異常に高い値段、革命的ながらもどこか煮詰め不足なデザイン(4WDを最初から考えていたのとレオーネをベースにしているから、妙に腰高感が拭えない)が災いしたのか、売れることはなかった。

 だが、そんなことでめげる
魂の技術屋スバルではなかった!

 マイナーチェンジのときに
日本初の水平対向6気筒エンジンを搭載したアルシオーネ2.7VXを発売したのだ!
 このエンジンは基本的には当時のスバルの屋台骨を背負っていた1800cc水平対向4気筒エンジンに2気筒分を足して2.7Lとしたエンジンだったが、ここでスバルはアルシオーネでより快適な走りを実現するために、現在ではレガシィのAT上級グレード等に採用されている電子制御式トルクスプリット4WDを初めて採用した。

 この4WDは基本駆動配分をF:R=35:65に設定し、トルク変動があった際は50:50まで駆動を変化させるもので、電子制御に関しては慎重な姿勢を見せる(現在においてもそれは変わることがない)スバルが自信を持って出した自慢の4WDシステムだった。

 しかし、
スバルの技術者の魂の結晶であるこの4WDシステムもほとんど知られることがなく、アルシオーネは潜伏し続けるのであった・・・。(^^;)


 そして、時は流れて、1991年。
 アルシオーネはモデルチェンジをして、さらなる
革命を巻き起こした。
 それが、この
アルシオーネSVX

 


アルシオーネSVX

 何ともすばらしいデザインではないではないか・・・。
 アルシオーネの革命的なデザインはここに極まったと言っても過言ではない。

 それもそのはず・・・、
SVXのデザインはかのジウジアーロがデザインしているのだ。
 自動車、家具、あげくの果てにはパスタまでデザインするあの巨匠ジウジアーロ。

 スバルはここでも
魂の技術屋の力を結集して、巨匠のデザインを忠実に再現したのであった。
 そして、スバルはこの美しきデザインにふさわしい中身とするために、先代アルシオーネ2.7VXから引き継がれた先進のトルクスプリット4WDシステムと新開発水平対向DOHC3.3L自然吸気エンジンを搭載。
 決して、いたずらに馬力だけに走ることが決してないスバルらしく、最高出力は240馬力と抑えて、その代わりに十分なトルクをこのエンジンに与えた。

 キャッチコピーは「500マイル」

 そう、スバルは
世界最高のグランドツーリングカーを作り上げようとしたのであった。
 そして、このキャッチコピーに負けないだけの内容がアルシオーネにはあった。

 しかし、レガシィ、インプレッサが大ヒットして、新しい軽自動車であるビビオもヒットする中、アルシオーネだけは決して表舞台に立つことなく、5年あまりの販売期間を経て、1996年に静かに消え去っていったのであった・・・。


 結局、狭い島国の日本ではアルシオーネのもつ先進性やそのコンセプトが理解されなかっただけなのだろうか?と考えるに販売中止となったのはとても惜しいと私は思う。バブル景気を境に日本にRVブームが訪れて、クーペが冬の時代へと突入したことも災いしたのだろう。

 確かに
アマデウスという名前でモーターショーに出されたアルシオーネのワゴンが発売されていたら、現在、メルセデス、ボルボが主流をなして、ステージアがその牙城に食い込もうとしているLクラスワゴン市場を一番最初に開拓したのかもしれないし、アルシオーネにターボ仕様で280馬力のMTがあったりしたら、若者もそこそこ飛びついたのかもしれない。


幻となったアマデウス

 しかし、それではアルシオーネがもっている本来の価値はまったく理解されなかったであろう。
 そう考えると、いつかアルシオーネに時代が追いついたとき、初めて評価が変わるクルマなのだと私は思う。


 その時が来るまで・・・
私たちは君の復活を待つ



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